1934年の室戸台風で未来への道が閉ざされてしまった多くの子ども・教職員を追悼し、その名を永くとどめるために建てられたのが教育塔です。それを契機に、教育に関わる活動で尊い生命を失った子ども、教職員、教育関係者の方々を心から追悼し、その名を永くとどめ、不幸な出来事が再び起こらないことを願って執り行われてきたのが教育祭です。
第85回教育祭は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため、10月25日(日)、事務局のみでの開催とし、今回は新たに4人が合葬され、合葬者総数は27,273人となりました。
10時からはじまった祭典では、主催者を代表して、清水秀行日本教職員組合中央執行委員長が追悼の詞を述べました。そこでは、世界的な規模で感染が拡大した新型コロナウイルスにより、学校では年度末の一斉休業や分散登校、学校再開後の感染予防対策の徹底や様々な行事等が延期・中止になるなど、子どもたちの学びの機会が失われていることに触れ、引き続き感染拡大対策という国民生活における喫緊かつ最重要な課題への対応が求められると述べました。
そして東日本大震災から9年半、熊本地震から4年半が経過した現在も復興への道のりは未だ途上にあり、転居先、転校先での暮らしを余儀なくされている子どもや、放射線の影響に不安をいだきながら学校生活を送らなければならない子どもたちに対し、寄り添い続けなければならないことを再度確認しました。また今年も、豪雨災害や台風など、頻発する自然災害により尊い命が失われており、そのような自然災害や危機的事故などに対処するとともに、新型コロナウイルス感染拡大という国家的危機を克服し、収束後の社会像として、安心で持続可能な社会につながる日本社会のあり方、生活のあり方を根本から問い直し、すべての子どもたちが安心して暮らし、学ぶことができる社会を創造していかなければならないと述べました。
今年度は、ご遺族やご関係のみなさまにお越しいただいて追悼のお言葉をいただくことはかないませんでしたが、来年度は例年通りの開催ができることを祈りながら、第85回教育祭は終了しました。