第79回教育祭は10月26日(日)に挙行され、全国各地から750人が参列しました。今回は新たに12人が合葬され、合葬者の総数は27,233人となりました。
10時からはじまった祭典では、主催者を代表して加藤良輔日本教職員組合中央執行委員長が追悼の詞を述べました。その中で加藤委員長は、「子どもたちが主人公である学校、その成長を支援する教職員と保護者が手をつなぎ会い、共に学び共に支えあう教育を創りあげ、安心して生活し、学び続けられる生活環境・学習環境を整備することが私たちの使命」と強調し、教育関係者はもとより、すべてのおとなが協力し、助け合い、その実現にむけて全力でとりくんでいくことをあらためて誓いました。
伊東雄二さんの同僚の種市明生さんは、教職員を代表して追悼の詞を述べました。種市さんは、用務員であった伊藤さんが、大雪が降った日曜日、休日であるにも関わらず「次の日の朝、子どもたちや職員が少しでも大変な思いをせず校舎に入れるように」と一人で雪かきをして校門からの道を作ってくれたことなど、自分のことよりまず子どもたちや職員、学校のことを考えて働いてくれた伊藤さんの生前の様子を語りました。その上で「あなたの名前と功績は、一緒の時をともに過ごした私たちの心の中に、そして学校に生き続けることでしょう」と在りし日の伊藤さんの姿を偲ぶとともに、「私たち教職員は教育という崇高な営みを通して、平和を守り、命を大切にする社会を創り上げていくことを真に誓う」と追悼の詞を述べました。
中学校の英語の先生になることを目標に勉学に励んでいた大地さんの父である土屋敏明さんは、「多くの方々より心温まる追悼の詞を頂戴致しまして、遺族一同、深い悲しみの中ではありますが、感謝の気持ちで一杯です」と、遺族を代表して謝辞を述べました。
大学2回生だった大地さんを留学先のニュージーランドで失った土屋さんは、願いが2つ叶えられるならば、1つは、2人で一緒にお酒を飲みながら「私がなぜ教員になったのか」「なぜお母さんと結婚したのか」を話したかったと、もう1つは、大地さんが教育実習で英語の授業をしている姿を教室の後ろから見たかったと、心の内を語りました。そして「遺族には、何年経っても語りつくせぬ思いや無念の思いが胸の中に渦巻いております。けれども、故人が残してくれた思い出やメッセージを心の拠り所にして、しっかりと生きていく所存でございます」と述べました。 |